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推しが卒業するということ

先に言っておくと、わたしはハロオタです。


朝晩冷え込む季節になりましたね。
9月も半ばに差し掛かって、そろそろ長袖も必須アイテムになりつつあります。なのに来週また30℃になりそうとか、地球は自己管理がんばってほしいなって。

今日、1人のアイドルが卒業を発表しました。わたしのお友達が、その子を推していました。
「推しが卒業するのしんどい。つら。」
わかる、わかるよその気持ち。そのグループを好きになる切っ掛けを作ってくれた人、だそうです。それなら尚更、しんどいよね。

わたしも数年前、推しの卒業を経験したので、彼女の気持ちは痛いほどに分かりました。
最初聞いた時は、耳鳴りがするんですよね。まーちゃんの気持ち、めちゃくちゃ分かりましたもの。キーン、て。ザワザワって、あれ、わたしが今聞いた、目にした出来事は果たして現実世界のことなのかな???って。
それから、ひどく脱力したのを覚えています。わたしは、歴戦のオタの皆さんほど、お金や時間を掛けていた訳ではありません。ジャニオタ的に言うならば、いわゆる「お茶の間」勢でした。
それでも、です。当時、大学二年生。弱冠20歳にして、虚無感を味わいました。好きだったんです。しばらく放心してしまうくらい、彼女のことが好きでした。
それくらい、推しの卒業ってしんどいんですよね。
わたしでそのレベルだったのだから、通い詰めていたオタクの皆々様はもっと大変だったろうと思います。

でも、それくらいしんどかったんですけど。
わたしは、推しが卒業するときのスピーチを聞いて、ああ、この人を好きでよかったと思いました。
「さゆみのファンは、変な人たちなんです」
って。そう言われました。嬉しかったです。
1回だけ、会いに行ったことがあります。関係ないけど、わたしの実家ちょっと厳格な家で、アイドルの握手会とか行かせてもらえなかったんです。親の目を盗んで、1度だけ。
天使がそこにいた、と思いました。緊張しすぎて、あんまり覚えてないんです。もったいないことをした、と思います。
そんなわたしでも、彼女を応援している「変な人たち」の一部に、入れてもらえているのかな、と思ったら、もう、それだけで十分でした。嬉しかった。

彼女が彼女であるための、その歴史を一緒に感じることが出来た、そう思いました。
彼女の一部を構成していたなんて、そんなおこがましいことは言いません。同じ空気を吸って、同じ時間を生きることができて、彼女のアイドル人生を見守ることが出来た。そして彼女が後輩に見せたかったと言う景色の、一部になることができた。
それを、自分がたくさんのオタクの中のたった1人だとしても、彼女を応援してきた「変な人たち」の中にくくってもらえたことが、わたしは本当に幸せでした。
彼女を好きでよかったと、心から思えました。


好きでした、というのは少し違います。今も好きです。そしてきっと、死ぬまで好きです。
わたしに「生涯道重」のことばをくれた彼女を、ずっと好きでいます。

推しの卒業は、辛いけれど。覚悟してても、いつか絶対来るときがあるけれども。
でも、推しが推しでよかったと、そう思えるのは、推しの卒業のときなんじゃないかなと、わたしは思っています。